超濃度ビタミンC点滴
当院で行う超高濃度ビタミンC点滴療法は、ビタミンC25gから投与を開始し増量していきます。投与するビタミンCの量は、血液中のビタミンC濃度を測定して決定します。典型的な例では週に2回の点滴を6ヶ月間継続、その後の経過が良ければ週1回を6ヶ月、さらに2週に1回を1年間、その後は月に1回行います。ビタミンCの量と点滴頻度は病状によって変えていきます。なお、この治療を続けることにより免疫システムの増強、がん性疼痛の軽減、食欲および体調の改善や抗がん剤による副作用の軽減が期待できます。
超高濃度ビタミンC点滴療法は、2005年にアメリカ国立健康研究所などの研究者たちがアメリカ科学アカデミー紀要に発表した「超高濃度のビタミンCはがん細胞を殺す」という論文がきっかけで広まりました。その後、2006年3月にはカナダ医師会雑誌に「超高濃度ビタミンC点滴療法で長期生存を続けている3人のがん患者」に関する論文、2007年には韓国医師会雑誌において「超高濃度ビタミンC点滴療法ががん患者の痛み、倦怠感、食欲低下、不眠などの諸症状を改善し、QOLを改善する」という論文などが発表されています。
いまやアメリカやカナダの多くの医師らががん患者に対して超高濃度ビタミンC点滴療法を行うようになり、この治療を受ける患者の数は急増していますが、有効ながんの種類についてはまだ研究段階です。
この治療法が適している方
高濃度ビタミンC点滴療法が適応されるのは、以下のようなケースです。
- 標準的がん治療が無効の場合
- 標準的がん治療の効果をより確実にする
- 標準的がん治療の副作用を少なくする
- 良好な体調を維持しながら寛解期を延長させる
- 代替治療を希望する場合
有効な抗がん剤や放射線治療がある場合は併用を推奨します。
治療を行うことが難しい方
G6PD欠損症という赤血球膜の遺伝性酵素異常がある方は、この治療を受けることができません。当院では超高濃度ビタミンC点滴療法を受ける場合には、必ずG6PDの検査を実施します。
また、透析中の腎不全の方、心不全、大量の腹水、強い浮腫のある方は、点滴で血管内に水分を入れることで症状が悪化する恐れがあるため、治療を行なえない場合があります。
使用する薬剤について
当院の超高濃度ビタミンC点滴療法で用いるビタミンC製剤は、日本や主要な欧米各国においては医薬品医療機器等法上の承認を得ているものではなく、当院医師の個人輸入によるものです。また、厚生労働省ホームページに掲載の「個人輸入において注意すべき医薬品などについて」もご覧ください。
副作用について
アメリカのカンザス州ウイチタ市にある国際人間機能改善センター(The Center for the Improvement of Human Functioning International)は、これまでの15年間に3万件以上の超高濃度ビタミンC点滴療法を実施してきましたが、副作用によって死亡に至った例はありません。ほとんど副作用のない安全な治療と言えます。
点滴初日に腫瘍から出血を起こした1事例の報告がありますが、大事には至っていません。このような腫瘍出血はこれまでの抗がん剤の投与でも見られる副作用です。これを防ぐために初回はビタミンC25gから開始し、徐々に投与量を増加させます。
ビタミンCを過剰に摂取すると尿管結石になりやすいとされていますが、超高濃度ビタミンC点滴療法ではこのような尿管結石は起こしにくいと言われています。
末期の心不全や腎機能が低下している方は、水分やナトリウムの過剰摂取によって病状の悪化をきたすことがあります。また、G6PD欠損症の場合は、溶血を起こすことがありますので、治療の前に必ずG6PD欠損症の検査を行っております。
超高濃度ビタミンC点滴相談料 | 11,000円 |
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超高濃度ビタミンC点滴 がん・代替医療相談料 | 16,500円 |
G6PD検査(院内) | 7,700円 |
ビタミンC血中濃度検査(院内) | 6,050円 |
超高濃度ビタミンC点滴療法 25g | 12,100円 |
超高濃度ビタミンC点滴療法 50g | 20,900円 |
超高濃度ビタミンC点滴療法 75g | 25,300円 |
超高濃度ビタミンC点滴療法 100g | 30,100円 |
※CVポート使用の場合は点滴料金に2,200円が加算されます。
血中循環腫瘍細胞検査(CTC:Circulating Tumor Cells)
腫瘍が1~2mm以上になると、腫瘍細胞は酸素や栄養を必要とし、新しく血管を生やして既存の血管とつながる「血管新生」が起こります。これにより、血液中にがん細胞が入り混んで全身に循環するようになります。
この血液中を循環する腫瘍細胞の中には、腫瘍の転移と再発に関わる「腫瘍幹細胞(CSC:Circulating Stem Cells)」が含まれています。
- CTC検査はがんのスクリーニング検査としては認められていない新しい検査です。
CTC検査で分かること
- 1mlの血液中に何個のがん細胞があるか
- どの天然成分(サプリメント)が自分のがんに効果が期待できるか
- どの抗がん剤が自分のがんに効果が期待できるか
- どの分指標的薬が自分のがんに効果が期待できるか
- 温熱療法や放射線療法が自分のがんに効果が期待できるか
- アンチセンス療法(※1)が可能かどうかわかる
- 腫瘍幹細胞の有無(転移・再発の可能性)
- がんができ始めているかどうかわかる
※1)アンチセンス療法:オプションとして、がんのアポトーシス(自死)を阻害している、遺伝子を抑制する治療が選択可能となる場合があります。
CTC検査で分からないこと
脳・脊髄腫瘍の有無(脳血液関門により腫瘍細胞が検出できないため)
検査の流れ
1採血 20ml
2採血した血液をラボに送り、解析します
33週間後、検査結果が送付されます
オンコトレース 306,450円
循環腫瘍細胞数と幹細胞の有無がわかります。
オンコノミクスプラス 657,990円
循環腫瘍細胞数と幹細胞の有無がわかります。
抗がん剤・ホルモン療法・分子標的薬の感受性検査。
天然栄養成分(サプリメントなど)への感受性検査。
持ち込みのサプリメントの感受性検査は2種類まで料金内で追加できます。
オンコカウント 249,750円
循環腫瘍細胞数がわかります。
治療の効果判定に用います。
インスリン強化療法(IPT:Insulin Potentiation Therapy)
IPTは、インスリンの特性を利用して、抗がん剤のがん細胞への透過性を高める療法です。インスリンを抗がん剤と一緒に投与すれば、がん細胞への抗がん剤の吸収が高まり、抗がん剤の使用量は、標準治療の10〜20%ですが、標準治療と同等かそれ以上の効果が期待できます。
標準の抗がん剤治療では、悪心、全身倦怠、脱毛、骨髄抑制による免疫力低下などの副作用が出ることが多く、場合によっては治療の継続が困難になることがありますが、IPTでは少量の抗がん剤で済むので副作用は少なくなるか、ほとんど認めません。
IPTのもう一つのメリットは、治療回数を短期間に頻回に行えるということです。通常の抗がん剤治療では、副作用が出ることが多く、ダメージを負った正常細胞が回復するまでの間、次の治療はできませんので、その間にがん細胞は増殖を続けている可能性があります。しかし、正常細胞のダメージが少ないIPTでは、週に2回と頻回の抗がん剤投与が可能です。
また、当院ではCTC検査で、効果が期待できると判定された抗がん剤を用いてIPT治療を行うことが多いです。
IPT療法 1回 | 49,500円 (使用する抗がん剤によっては料金が変更になる場合があります) |
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がん遺伝子検査(がんmRNA検査)
この検査では、通常の早期発見よりもさらに早くがんの発現リスクを知ることができます。
がん細胞は、5〜20年かけて増加していきます。がんの発症のしやすさを検査するDNA検査は親から引き継いだ遺伝的なもので、変えることはできませんが、DNAががんの発症の要因となるのは5%ほどだと言われています。残りの95%はmRNAによると言われており、これは生活習慣の改善などで変化させることが可能です。「がん遺伝子検査(がんmRNA検査)」でがんが発症する前に今後かかる可能性を知り、予防的な治療に役立てることができます。
がん遺伝子検査でわかる今後かかる可能性のあるがん
女性
乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、肺がん、胆道がん、膵臓がん、大腸がん
男性
食道がん、胃がん、肝臓がん、肺がん、胆道がん、膵臓がん、大腸がん、前立腺がん
検査の流れ
1採血 2.5ml
2採血した血液をラボに送り、解析します
34~5週間後、遺伝子別にリスク評価した検査結果が送付されます
長寿遺伝子検査
長寿遺伝子の中のサーチュイン遺伝子(Sirt1)は、老化を遅らせて、長寿になる方向に働きかける遺伝子です。長寿遺伝子の検査では、両親から受け継いだ遺伝子を調べる検査(SNPによる体質遺伝子検査)ではなく、現在の遺伝子の状態を調べることが重要です。当院の長寿遺伝子検査では、現在の遺伝子の状態を調べることが可能です。
長寿に働きかける遺伝子であるサーチュイン遺伝子(Sirt1)の現在の活性度を測定し、数値化してお渡しいたします。当院では、長寿遺伝子の測定結果を用いて長寿や老化防止に向けた生活指導を行っております。
がん遺伝子検査 | 154,000円 |
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長寿遺伝子検査 | 55,000円 |
セット(がん遺伝子検査+長寿遺伝子検査) | 198,000円 |
水素吸入療法
水素には強力な抗酸化作用があり、老化の促進や病気の原因となる活性酸素を除去する効果が認められています。我々人間は呼吸をしないと生きていくことはできませんが、酸素呼吸により体内では必ず活性酸素が生じます。
活性酸素には、殺菌作用など生体にとって重要な働きをする善玉活性酸素と、細胞や遺伝子を酸化させて傷害する悪玉活性酸素があります。悪玉活性酸素は、がんの発生や動脈硬化や肺気腫などの肺疾患、パーキンソン病、膠原病や、さらにシミやしわといった肌の老化など多くの問題に関与しています。
水素には、最も強力な悪玉活性酸素であるヒドロキシラジカルと反応して安全な水に変える働きがありますが、生体に必要な活性酸素は消去しません。また水素ガスは分子量が小さく、水にも油にも溶けるため素早く拡散して身体の隅々や脳にも行きわたり、抗酸化能を発揮します。水素を吸入すると、水素水を飲むよりもはるかに効率的に水素を体内へ取り込むことができます。
当院では99.9995%の水素を1分あたり約500ml吸入していただけます。
水素吸入療法をおすすめする方
悪玉活性酸素が関わるあらゆる疾患や症状に効果が期待できます。
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症の方の動脈硬化進展予防
- 関節リウマチなど、膠原病でお悩みの方
- アスリートやスポーツをする方に(運動による乳酸の発生が抑制され、パフォーマンスの向上、筋肉痛の予防が期待できます)
- 抗がん剤治療や放射線治療を受けている方(治療により発生する活性酸素を減らし副作用の軽減が期待できます)
- 遷延する風邪に
- ストレスが多く、慢性的に疲れている方
- パーキンソン病やアルツハイマー病でお悩みの方
- 飲酒・喫煙や激しい運動をしているために活性酸素の発生が多い方
- 二日酔いに
- 腰痛・筋肉痛・肩こり・関節痛などの痛みに
- 頭痛
水素吸入の頻度や時間
慢性疾患の場合は週1~2回、30分以上の吸入をおすすめします。
状態を拝見して吸入頻度や時間を調整します。
副作用について
水素吸入によって眠気やふらつきが出ることがあります。
- 水素吸入はあくまで補助的であり、現在治療中の方はその治療を継続することをおすすめします。
- 当院では水素吸入療法単独での治療は行っておりません。点滴療法との併用となります。
初回に個人専用の吸入器具を購入していただきます。
鼻カニュラ | 660円 |
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吸入マスク | 1,100円 |
水素吸入療法(点滴療法との併用のみ) | 2,750円 |